幸せな時間
その日、浩司の家に行きはしたものの、時間も限られていることもあって、当然、エッチはなし。(笑)
彼は、したそうにしていたけど、私がそんな気分ではなかった…。
何しろ、さっきまで、大好きな人に抱かれていたから。その余韻を消したくは、なかった。ほんと、私は身勝手な女だなと思うよね…。
でも、私と会っている時間は、彼らにとっても、幸せな時間。私にとっても、幸せな時間。そもそも、お互いに配偶者がいる身。過去に不倫も経験している。
彼に、もう一人彼女がいたって、不思議ではない。逆に、不倫相手に、一人の人だけを選んでしまうと、彼を独占したい気持ちが、強くなってしまい、苦しくなり、可愛い自分でいられなくなる気がする。
…っていうか、実際に、アメブロとかの、不倫ブログを読んでいると、不倫恋愛、婚外恋愛に苦しんでいる人がすごく多い気がする。
ハッピーエンドの人もいるけれど、バッドエンドの人が圧倒的に多い気もする。
私は、そうなってしまう気持ち、すごく分かるから。私もどちらかというと、すごい好きになっちゃう方だし、そうなると、案外周りが見えなくなったりするし。でも、そうなるのが怖いから、あえて、複数の人と、同時進行でお付き合いする道を選んだ。
浩司は、きっと、他に女性はいないと思う。そして、私にも、他に男性はいないと思ってると思う。
そりゃそうだよね。こんなに頻繁に会っていて、他の相手といつ会うんだ?って、普通は思うよね。
だから、ぶっちゃけ、同時進行で3人とLINEしてることもある。(笑)
それは、相当な労力だし、すごく大変なこと。だから、不倫は、器用な人じゃないと、しちゃダメだと思う。相手が1人でも2人でも、ね。
彼の部屋
普段、浩司と会うのは、浩司の部屋だった。
夜、子供達が寝る頃に、「ジムに行ってくるね」とか「走ってくるね」などと言って、家を出る。
実際に、ジムに行くこともあったけれど、帰りに浩司の家に立ち寄るのがルーティンのようになっていた。
私は今、ジムトレーナーの仕事をしているので、子供たちは、ママはお仕事に行った…と、思っていた。
子供達にご飯を食べさせ、寝る支度をさせた後で、「ママ、お友達が近所まで来てくれてるから、1杯だけ付き合ってきてもいい?」と言って、食事に行くこともあった。そんな時、子供たちは、「どーぞ!どーぞ!行ってきていいよ!その代わり、テレビ1時間だけ、見てもいい?」と、言ってくれた。
可愛い子供たち。こんなママを許してね。
絶対に、この子たちに知られてはいけない…、と、そう思いながら、レイナは家を空ける。しっかり鍵をかけて…。
2人目の男・浩司
浩司は、どちらかというと、おとなしいタイプの男性だった。
会っても、喋るのは、ほとんど私。彼は、聞き役。それがまた、心地よかった。
私の夫は、私の日常の愚痴などを、黙って聞いてくれるタイプではなかった。必ず、上から発言し、物言うタイプ。
でもね、私は、あなたの意見は求めてないの。黙って、私の話をうんうんって頷きながら、聞いてくれるだけでいいの。
意見されるから、イラっとしたり、喧嘩になる。で、だんだん話が脱線していって、矛先が私の愚痴から私への愚痴へと変わっちゃって、私のストレスはさらに溜まる…。
でも、浩司は、私の話を、いつも黙って聞いてくれた。そして、私がアドバイスを求めると、的確にアドバイスをしてくれた。
これ、やっぱり、歳が離れてるからかな?彼の意見やアドバイスは、比較的、すんなり受け入れられた。
彼にも、子供が男女1人ずついるので、子育ての事とかも相談に乗ってくれた。
だけど、浩司は、私の夫に、激しく嫉妬していた。ちょいちょい、ヤキモチを妬く発言が増えていった。でもそれを、私は、「愛されている」と解釈した。
浩司は、家族と離れて暮らしてから、ずーっと彼女がいたと言う。それって、常に、家族を裏切って、浮気していたってことだよね。
私は、浩司と付き合い始めた時に、それを聞いていたので、あ…この人は、いつかまた、浮気するだろうなって思っていた。
だから、この人には、深入りしない、と決めていた。
浩司は、少し変わっていた。
あまり他人に関心がないというか、自分が興味があることしか、やらない。自分が興味がある人としか、会話しない。
ま、当たり前なんだろうけど、もともとコミュニケーションスキルが、あまり高そうじゃなかった、浩司は、私と一緒にいても、ただ、私の顔を、真顔でジーっと見つめ、「きれいだよ」「本当に美人だ」と言うだけ。
あとは、私の話を聞いているだけで、強いて言えば、彼が興味がある好きなジャンルの音楽の話や、仕事の話などしているときは、珍しく、饒舌になった。
私は、そんな彼の話を聞いているのは、楽しかった。というか、彼がしゃべっているのを聞くのがレアだったので、物珍しさで、色々彼に、話を振った。
彼は、彼のビジネスの世界では、そこそこ名の通った人らしい。私は、全く知らない世界だけど、話を聞いているのは、楽しかった。
そして、彼は、性欲も強かった。彼の部屋に行けば、9割はしてたかな…。キスをして、ハグをすれば、横にベッドがあれば、しちゃうよね…(笑)
とにかく、浩司は、妄想系男子だった。興奮系男子?なんてゆーのかな…。(笑)
行為の最中も、私を興奮させるような言葉を連呼し、自分も激しく興奮して、私を激しく愛した。
「レイナっ…なんでこんなにグショグショに濡らしてるんだっ?!」
「いやらしいレイナを見てるだけで、俺のもこんなに固くなっちゃったじゃないか!どうしてくれるんだ?!」
「ほらっ…!コレが欲しかったんだろ?!お願いしてごらん」
正直言って、彼との行為は、サイズ的には、満足度20%!!物足りないなんてもんじゃなかったけれど、前テクは、良かったし、それなりに、私をいかせようと頑張ってくれてる。でも…私がこの人に求めているのは、その部分ではなかった。
彼は、相当私で、満足してくれているみたいなんだけど…。
じゃあ、私は彼に何を求めているの?
私が、浩司に求めているもの…それは、体の関係ではなかった。
浩司は、私にとって、ちょうどいい距離間の、男性だった。
それは、物理的な距離感と、心理的な距離感と、両方の距離感が、本当に、ちょうど良かった。
会いたいときに、会える。ちょっと現実逃避したいときに、逃げる場所がある。
ちょっとホッとしたいときに、行ける場所がある。
ちょっと話聞いてもらいたいときに、話を聞いてもらえる場所がある。
浩司の部屋と、私の家の距離は、そんな距離感だった。また、彼は、それを、受け入れてくれた。よっぽど彼が疲れていたり、彼に用事がある時以外は、毎日のように、会いに行っていた。
私は、家族から離れる時間が欲しかったのかもしれない。
母親じゃない、時間。
妻じゃない、時間。
主婦じゃない、時間。
女でいられる、時間…。
一人の人間として、一人の女性として、浩司は、私のことを尊重してくれた。沢山、沢山、褒めてくれた。普段、夫から褒められることのない私は、浩司の言葉、一つ、一つに、喜びを感じ、その言葉を糧に、毎日を、頑張れている気がした。
3人目の男・正孝
私が今、お付き合いしている、3人のうち、最後の一人は、ごく普通の日本企業に勤めている、正孝だった。
正孝は、やっぱり、出会い系アプリで知り合った男性。彼も、一回り年上だった。
本当にね、今お付き合いしている男性、3人とも、ほぼ同時期に、付き合い始めたの。
でも実は、一倍最後に紹介してるけど、私が一番最初にデートしたのは、正孝だった。
サイトでのやりとりから、LINEのやりとりに、発展した後、デートの約束をした。
確か、土日とかだった気がする。正孝が、車を出せるというので、じゃあ、ドライブデートしよう!という事になっちゃったの!