関西人男性
駐車場まで歩く途中、横断歩道橋があったので、腕を貸してもらって、階段を上り下り。
自分から手を繋ぐタイプではなくて、腕を組まれる方が好きなんだって…。
食事する女性、みんなを、こうやって腕を組んでエスコートして、車で自宅に送り届けてるのかな…?
やっぱり、女性の扱いに慣れてる感じが否めないよね。
まだ、相手のことが良く分からないから、私としても、関わりにくいんだけど、一緒に歩く私に腕を組ませたり、よくわかんない、この駆け引きというか、やり取り、探り合いも、ある意味…恋愛の醍醐味だったりするから、しばらく、それに付き合ってみることにした。
車に乗り、家まで真っ直ぐ送って貰うのかと思ったら、「コーヒーでも飲みに行く?」と言われたので、そのまま深夜まで空いてる代官山のスターバックスへ移動。
横並びのソファー席で、コーヒーを飲みながら、お互いの話をしたり、携帯の写真見ながら会話したり…もうね、本当に他愛もない話をしてた気がする。
基本的に、彼は関西人のノリで、本気だか冗談だか分からないようなことを、よく言ってきて、私の頭の中は、その度に、「???」でいっぱいになった。
彼は、彼の冗談を、くそ真面目に真に受けて、あたふたする私を見ながら、ニヤニヤする…っていう、ド変態な人だったけど、私は私で、私なりに、一生懸命、彼の真意を探ろうと、頑張っていた…。
けど、最後まで分からないまま…笑
で、結局、何事もなく、自宅まで送って貰う事に。そして、車に乗り込むとすぐに、車を発進させた。
今までの男性だったら、ここでキスの1つも、するところなんだけどなぁ…。
自宅近くまで、車で送って貰って、キスもなく、「ごちそうさまでした」と伝えて、車を降りる。
すると、彼も運転席から、降りてきた。
わーやっぱりこの人、最後までちゃんと女性を見送って、エスコートするんだなーって思いながら、彼の姿を目で追う。
車から降りてきた彼は、私の前に立つと、私の腕を掴んで言った。
「また会ってくれる?」
「えっ?」
「また会ってくれますか?」
目の前に立つ彼を見上げた。
180センチ以上ある彼は、顔も小さくて、本当にモデル体型。
そして、私の好みの顔。
私、一目惚れって、ほとんどしないし、自分から人を好きになることってないんだけど、もしかしたら、この人は、この時既に、レイナの心を掴んでしまっていたのかもしれない。
関西人で、なんとなーく、手のひらで転がされてる感じがするし、何考えているのか分からないし、自分の感情をあまり表に出さないし、私をからかって、楽しんでいるような気もするし、良く分からない人だけど、今日のこの1回のデートだけでは、何もわからなかった気がするから、とりあえず、「うん♡」と頷く。
すると、彼は、私を引き寄せ、軽く、唇に、チュッとキスをした。
なんとなーく、物足りないぐらいの、フレンチなキスだったけど、却ってそれは、彼の株を上げてしまった。
すごく、純粋な人なのかもしれない…。
その時の彼を見て、私は、そんな風に思ってしまった。
そう思わせてしまうのも、この人の策士な部分なのかもしれないんだけどね。
レイナはこの時点で、すっかりこの人に、騙されてしまっていたのかも。
彼と別れた後、自宅に戻り、彼へお礼のLINEを送る。
――今日はごちそうさまでした♡楽しかったです。
私のこと、恋愛対象として見てないんだろうなって思っていたので、最後、気を遣わせてしまったかと…気になっていました。
ーーははは。是非お付き合いさせて頂きたいのですが、1つお願いがあります。
――はい、何でしょうか?
――旦那さん以外の男性とは、彼氏見つけるために会って欲しくないです。
それに伴って、他の方と連絡を取れないようにして頂ければ嬉しいです。
えっ!!!!!!!
えっ???????
それってどういうこと???
マッチングアプリやめろってことだよね、きっと。
お付き合いさせていただきたい…ってこれは、恋人としてってことなんだよね?合ってるよね?
会って間もないのに、告白する男って、何か裏があるんじゃないのかなーって思っちゃうよね。
まだまだ、1回目のデートじゃ読めないわ…この人…