昔の職場の先輩
既に、酔っ払っていた先輩は、まるで1件目のようなペースで、ハイボールを頼んでいた。
私も、ほぼ、彼と同じペースで、ハイボールを頼む。気付いたら、既に6杯ぐらい飲んでいた。
彼は、だんだんろれつが回らなくなり会話の中身も、めちゃくちゃ…笑
同じような会話ばかり、繰り返す彼の相手をしているうちに、だんだん、噛み合わない、酔っぱらいとの会話に疲れてきたレイナ。
先輩は、バーのカウンター席で、隣に座る私の腰に手を回してきたり、他のお客さんがいても、お構いなしに、キスをしてきたり、完全にイチャイチャモード…
「お前は俺といつ付き合ってくれるんだ?」
「お前が独身だったらすぐプロポーズするんだけどなー」
そう言いながら、腰に手を回したり、レイナを自分ん方へ引き寄せて、ハグをしたりキスをしたり…
私たち、別に付き合ってるわけでも元恋人同士でも、なんでもない関係だからね。笑
ただ、仲の良い先輩と後輩。
なんだろう?この人、私のこと好きなのかな?
いや、確かに、いつも「お前は本当に可愛いなー」とか「俺の彼女になって」とか本気とも冗談とも取れるようなことを言ってきていたけれど…。
きっと、色々な女性に言ってるセリフなんだと思うし、私自身も本気にしたことはなかった。
とはいえ、好意を寄せられて、嫌な気持ちになるようなタイプの先輩ではなかったから、一緒にいる時間は、楽しい時間を過ごしたくて、先輩からのそういうアプローチも、全て受け入れて、楽しい時間を過ごしていたのも事実。
「お前は、そういうところがダメなんだよ!笑」
って、先輩には、いつも笑いながら言われていたけれど、何がダメなのかな?
「おじさんはその気になっちゃうだろ?俺のこと、まんざらでもないのかなと思って、本気にしちゃうだろ?」
って言われたけれど…
でも、だからと言って、毎日LINEを送ってくるわけでもないし、基本的には、自分がセックスしたい時にだけ、連絡をしてきてるんじゃないかなーという気がしていた。
先輩だって、私のこと、適当な遊び相手ぐらいにしか思ってないんじゃないの?って、レイナ自身も思っていたし、先輩の言うことを鵜呑みにしたわけではなかった。
と言うよりもむしろ、本気にしちゃいけないって思ってたし、深入りしてはダメな人って、レイナの頭の中にインプットされていたのかもしれない。
彼とは、何度かホテルに行ったことがあるんだけど、飲んだ後にホテルに行くと、とりあえず…勃たない。笑
勃たないのに、やりたいから、私の手や口に頼ろうとするの。
で、なんとか勃つんだけど、いざ入れると中折れ…
そんなんじゃ、当然レイナだって満足できないでしょ?
で、満足できないレイナを、満足させようとして、あそこを触ってくるんだけど…
「ほら…もうこんなに濡れてるじゃん…気持ちいい?」
「う…うんっ…」
「ほらっ…吹いていいんだよっ!ほらっ…ほらっ…」
えっ…ちょっ…いたっ…痛いっ…!やめて〜!!!
酔っているせいなのか、触られても気持ちよくなれない。触り方が雑で、痛い。
「痛いっ…!!!」
「えっ…あっ…ごめんっ…」
痛いのはダメだよね。
女の子は大事に扱わないと、本当にダメ。女の子のあそこは、デリケートなんだよ。
日本人男子は、とにかくアダルトビデオの見過ぎ。
AVの世界でやってることを、現実に女性にやるのは、なんか違う気がするのよね。
あれは、プロの仕事であって、素人女性には、かなりキツイのよ。
膣の中は、粘膜薄いし、傷つきやすいのに…
痛いのは嫌い。傷つくのも嫌。
だから、レイナも彼のいうことを本気にはせずに、適当に聞き流しながら、ごくたまに相手をして、美味しいご飯をご馳走になったり、楽しくお酒を飲んだり、適度にイチャイチャしたりして、束の間のデートを楽しむ程度にとどめていた。
仕事を一緒にしていた頃は、本当に精悍なビジネスマンで、憧れの存在だったが、酔っ払って、グダグダになっている彼は、どうしようもない、ただのアラフィフのおっさんに過ぎなかった。
「そろそろ帰りますか?」私から、そう切り出すと、彼は、まだ飲みたさそうにしていたので、「じゃあ、あと1杯で帰りましょうね」って言い聞かせる。まるで、私、お母さんみたいだよねー笑
飲みながらも、彼は、隣の席に座る私の腰に手を回してきたり、肩を抱いて、キスしてきたり、とにかくスキンシップ多め。この人って、誰と飲んでても、こんな感じなんだろうなーって思うと、本気でお付き合いしたいとはなかなか思えないのよね。
そんな関係もありだとは思うんだけど、恋愛の対象にはならなかった、というのが事実かなー。良い人なんだけどね。女癖も悪いし、付き合ったら苦労しそうな人。
やっぱりさ、女の子とお酒を飲むときは、男性は、飲みすぎちゃダメだと思う。もし、女の子が酔っ払っちゃったら、誰が介抱するの?もし、女の子が他の男性に絡まれていたら、誰が、助けてくれるの?
もうこの時点で、お気づきだと思うけど、私は、そこそこお酒が強い。だから、先輩と飲んでいても、私が酔う前に、彼が酔ってしまうので、いつも私が介抱している。仕事をしていた時から、そんな関係。兄貴と妹のような、そんな関係。
一線を越えてからも、その関係は、私の中では崩れていない。むしろ、一線を越える前の方が、心地よかったかな…。
一度一線を越えると、味を占めるのか、よっぽど気に入ったのか、それから、何度も何度もホテルに、誘われた。
これじゃ、まるでセフレだよね。
私、セフレになるつもりはないんだけどなー。
先輩は、私に何を求めてるんだろう。
セフレになってもらいたいのかな?彼女になって欲しいのかな?
本気とも冗談とも取れる、どっちつかずの先輩に対して、「ハッキリしてよ!」とも言えず…
先輩の本心がわからない状態が続いたんだけど…
レイナは、先輩とはちょっと距離を置こう…そう思った。
そして、そのバーを出ると、私をタクシーに連れ込み、ホテルに誘ってきた彼を、寸前で交わして、先輩を1人でタクシーに押し込み、彼の住む家の方向をタクシーの運転手さんに告げて、バタンとドアを閉めた。