事件勃発
亮真さんと、幸せな時間を過ごした日に、事件は起きた。
実は、近所に住んでるおじさまの浩司には、私の仕事で使うレッスン用の音楽の作曲とかをしてもらっていて、趣味の域を超えて、作曲活動をしていた、浩司は、レイナのイメージで、沢山の曲を作曲してくれていたの。
どの曲も素晴らしくて、レイナのレッスンにピッタリな楽曲だったし、それをAmazon MUSICで販売する話もあったりして、かなり本格的に制作活動を進めてくれていて…
その関係で、CDジャケットに載せる私の写真を、選定していたんだけど…。
私がいくつか挙げた候補写真の中から、浩司が選んだ1枚があったの。
でも、その写真、私の二の腕のラインが、とても気になったので、「二の腕がたるんでるから、この写真は却下でお願いします」って伝えてあったの。
なのに、夕方、急にその写真の二の腕のたるみを、頼んでもいないのに、勝手に修正して削った写真を送ってきたから、ちょっとムッとしちゃったんだよね…私。
――勝手に修正とか失礼じゃない?こんなこと、勝手にされると、私自身を、侮辱された気分。ショックだよ。
だって、そうじゃない?女性の気になる部分を勝手に削るとか、あり得ない。
「削って欲しいなら、削ってみようか?ちょっとやってみるね。」とか、前もって言われたら、「うん、お願い♡」って言ったかもしれない。
でも、何の相談もなく、いきなり、
――二の腕のたるみを加工したんだけど、どうかな
って来たんだよ。
デリカシーがないっていうか、ほんと失礼!
そのデリカシーのなさには、すごく驚いたし、勝手にそんなことするなんてひどいと思って、そう伝えたのに…。
すると、浩司からのLINEが…
――残念ながら、色々考え方が合わないですね。
色々説明したいことがありますが、いつも同じような事の繰り返しで、こちらも疲れました。
お互いに不愉快な思いをするために付き合っているわけじゃないので、別れた方がいいかもしれないですね。
はい?え?どゆこと?なんで、そういう展開?!私が悪いわけ?なんか違くない?
ってゆーか、昨日、エッチしたよね???好きだのなんだの言ってたよね?全く意味不明…。
そもそも、そっちがやったことを棚に上げて、謝りもしないで、何かムカつく…。
とりあえず、私も返信する。
――えっ?ちょっと理解できないし、LINEでする内容じゃないと思うので、会って話しましょう。マンションに行きます。まだ帰ってないなら、帰ってくるまで待ってます。
別れ話をLINEでするとか…高校生じゃないんだから、大人な対応してよっ!
そう思って、子供達を急いで寝かせ、彼のマンションへ急ぐ。
インターンフォンを鳴らしたけど、まだ帰ってない。
とりあえず、マンションの外で待つ。
1時間位待ったかなー。
彼が帰ってきた。
いや、正直、彼との付き合いは、いい事だけじゃない。
このブログでも書いている通り、都合のいいポジションで、付き合ってきてるし、愛してると言うより、パパ的ポジション。
だから、彼とは、別れても困らないけど、一番楽なポジションにいた人だから、それを失うというのは、私の中では大きかったのかもしれない。
好きだから失いたくないというより、楽だった人を失いたくないって感じ?
家の近所にコンビニがあったのに、それがなくなったら、すごく困るでしょ?
いうなら、そんな感じ。悪い女だよね、私…。
本当に酷いことを言ってるかもしれないけど…
でも、向こうだって、私と付き合うことにメリットを感じて付き合っていたわけだから、同等だと思う。
でも、そんなわけで、私はちゃんと彼に会って、話をしないとって思ったの。
私は別れたくないって。ちゃんと伝えたくて。
それを聞いても、彼が別れたいと言うなら仕方ないんだけどね。
ってゆーか…私、男性から別れ話されたの、初めてだったんだよね。
しかも、よりによって浩司みたいな、本命彼氏でもない人に言われてしまって、動揺しただけなのかもしれない。
なんでこの時、こんな風に、彼に話し合いを申し込んだのか、今となっては、謎でしかない…