王子様のごとく登場
で、その時はまだ0時ごろだったと思うんだけど、私、浩司の家のベッドで、そのまま寝ちゃったみたいで…。
ブルルルルルッブルルルルルっ…
って鳴った、携帯のバイブ音で目が覚めた。
携帯を見たら、深夜2時。
隣りで浩司は眠ってる。
私は上半身だけ起こして、携帯を確認した。
え?こんな時間に誰からだろう??
すると、一通のLINEが来てる。
開けてみると、なんと、その相手は、ポルシェのカイエンに乗る裕さんだった。
――お疲れさまー。もう寝てるかなー?
ってゆーか、普通寝てるだろっ!と、思いながらも、眠い目を覚ましたかったので、返信してみる。
――飲みに行って酔っ払ってて、まだ〇〇にいまーす☆
――えーーもしかして、またあの先輩と一緒?
裕さんが言ってる先輩って言うのは、私のもと職場の先輩で、前に一緒に飲んで、「やらせろ」とか言ってきた人ね。
で、裕さんがお迎えに来てくれたっていうエピソード、ブログをさかのぼると読めますw
とりあえず、面倒なので、そういうことにしちゃえ。
――うん。でも大丈夫だよー
――いや、心配だから、お迎えに行くよ。
――えー!大丈夫だよ。もう寝るところでしょ?今日は、何もされないと思うから大丈夫w
――ダメダメ。先輩はレイナちゃんのことを狙ってるんだから、酔わせて何するか分からないし…。待ってて。どこにいるの?
――えーほんとに?来てくれるんですか?〇〇にいるけど…。
――わかった。着替えてすぐ行くね。
――えーーっ!ダメダメダメッ!もう寝る準備してたのに、私のためにわざわざ来なくていいですよー
――もう家を出たから、寒くないところで待ってて。
――ありがとうございます♡私もそろそろ帰るって伝えますねー♡
とまぁ、突っ込みどころ満載のLINEのやり取りを経て、私は、家まで送ると言った浩司に、「寝てていいよ♡」と優しく伝え、眠たい彼氏を寝かせるために一人で帰る彼女…というのを演じ、裕さんと待ち合わせした場所まで向かう。
裕さん…「酔わせて何するかわかんないよ」って、あなたもですからねっ笑
でも、会える時間も遅いし、きっと本当に送るだけだと思うから彼の提案を受け入れたんだけど…。
待ち合わせ場所に来た裕さん。
本当に部屋義の上に何かを羽織ってきたようなカジュアルな装い。
コンタクトじゃなくて、眼鏡だし。
それでも、かっこよく、カイエンに乗って、王子様のごとく、登場。
私、寝起きだし、お酒で喉やられてるしで、可愛い声じゃなかったんだけど…それでも、裕さんはニコニコしながら私を迎えてくれた。
「こんばんはー☆大丈夫?」
「すみません…。いつもいつもご心配かけて…」
「いや…何してるかなーと思ってLINEしたら、まさかの、例の先輩といるって言うから、心配になっちゃって…」
「いや…他にもいたんで、大丈夫だったと思いますよ♡」
「ダメダメ。きっとみんなを帰した後、送っていくって言いながら、連れ去られちゃうよ」
「あはは☆裕さん、心配しすぎ―」
「心配するよーそりゃー。放っておけないもん」
「ありがとうございます♡」
そして、信号待ちで、私のほほに手が伸びてきて、顔を引き寄せてディープキス。
うーん…。
ほんと、この人の動作って遊び慣れた人の感じ。
すごくスマートなんだよね。
この人って、特定の彼女とか作らないんだろうなー。
不特定多数の女性を、同じように愛せるタイプ。
なので、私もこの、カイエン男の裕さんを、都合のいい男と、位置づけることにした。
最初は、すっごくいい人♡
タイプ♡
なーんて思ったけど、出会い系アプリで友達を口説いていた裕さんを知ってからは、彼を見る目が変わってきた。
いい人なんだけど。
この人は、みんなにいい人。
っていうか人たらし。女ったらし?
でも、私が酔っ払いに絡まれてるとすぐにお迎えに来てくれたり会いに来てくれたり、多分、彼自身が、夜を共にする女性がいないときなら、呼べば来てくれる。
昔の言葉で言うと、「アッシーくん」なのかな?
信号待ちの度に裕さんのキスを受け入れ、これで自宅までの送迎してくれるなら、私としては、とてもありがたい存在。
束の間のドライブは、5分ほどで終わり、停車後も、何分かキスだけを楽しみ、軽いお触りだけを受け入れて、彼とは別れました。
また、例のごとく、私が見えなくなるまでちゃんと見送ってくれた、優しい紳士。
でもね、私が求めてるのは、私だけを求めてくれる男性。
あなたみたいなハンターとは、付き合えない。
なので、今の距離感がちょうどいいの。
隙間を埋めてくれて、私が満たされるだけの男。
あー♡今日も満たされた一日だったな♡これで明日も頑張れる☆