ビジネス詐欺
デートクラブで紹介された、山口さん。自称、経営コンサルタント。起業コンサルタント。
紹介してくれたのは箱根旅行に連れて行ってくれた、デートクラブの人でした。その時に彼に言われた。「ちょっと変わった人だから、気を付けてね」と。私はその言葉が気になりながらも、約束していた場所へ向かった。
待ち合わせ場所に現れたのは、髪の毛が真っ白なおじさん。年齢は50ぐらいなんだけど、髪が白かったから、老けて見える。
でも、まぁまぁ整った顔立ちで、嫌な感じはしなかった。
その、自称経営コンサルタントの山口さんは私を横浜の料亭に連れて行ってくれた。横浜に、こんな料亭があったなんて知らなかったなー。松花堂弁当のようなランチを食べながら、色々話をする。
やっぱり、こんな高そうな料亭に普段から出入りしているような人だから、それなりに収入もあるんだろうなー。
どうも、山口さんは、私のことを気に入ってくれたようだった。
いろいろなビジネスの話を聞かせてもらったけれど、そんな話の流れで、デートクラブのお手当の話になった。
すると、突然、山口さんが、おかしな質問をしてきた。「このまま普通に付き合って、会う度にホテル行ってお小遣い渡す関係もいいんだけど、レイナちゃん、頭いいし、僕気に入っちゃったから、レイナちゃんにはもっと稼いでもらいたいと思うんだ。僕のビジネスのお手伝い、してみない？」…と。
山口さんからの突然の提案に正直私は戸惑った。え…なんか良く分かんない。けど、この提案をされる前の会話の中で、私は、なんでこんなところに登録して、知らない男性とデートしてるのかを聞かれた。
確かにそうだよね。それなりに裕福な家庭に嫁いだ主婦が、わざわざデートクラブなんかに登録して、お小遣い稼ぎしている理由、知りたいよね。
私は、お金を貯めて、自分でパーソナルジムを経営したいという話を彼に伝えた。夫はそのための出費をしてくれないし、自分でなんとかしなくてはいけない。だけど夫は私が企業勤めすることに反対していたため、手っ取り早く稼げる手段として、友人に紹介してもらった、デートクラブに登録したという話をした。
ただ単に、遊ぶお金が欲しい女性たちが多いデートクラブの中で、私みたいなタイプは珍しいということだった。
恐らく、その辺の話をしたから、金儲けの話を提案してくれたんだろうと思う。でも、机上の空論で、現実味がない話に私は即答しかねていた。
速攻で否定しなかったことで、彼は、私がビジネスの話に気持ちが揺らいでると察し、色々提案をしてくる。
確かに、自分でビジネスを開始したいと思っていたのは事実だった。そんな私の気持ちの隙間を狙ってきたのだろう…。
私も、経営ノウハウを学べる機会だと思い、何を血迷ったか、彼の仕事を手伝う方を、選んでしまい、ここからちょっとした試練…というより悪夢のような毎日が、私を待ち受けることとなった。
そのビジネスの話を受け入れるという事は、会う度にお車代をもらえないという事。つまり、お小遣いなし。お小遣いはないけど、ホテルにも行かなくてはいけない。なんで私は、その時、山口さんの言っていることの矛盾に気づかなかったんだろう。
これが、山口さんのやり方だった。巧みな話術で相手をその気にさせるのが上手い。
その場で結論を出させようとすることで、考える時間を与えないって感じで。そしてそのまま課題を与えることで間髪入れず、次から次へと、その課題解決に時間を使わせようとするのも、彼の手口だった。
そして、状況に応じて、下手に出たり、強気に出たり、上手く使い分けていた。私のやる気を引き立てたり、とにかく口が上手くて、たくみに私を操っているように見えた。
私は、そのやり口に、上手く乗せられていただけだったんだと思う。
今思えば、ほんとバカ。気づかなかった自分を呪ってやりたいわ。
いや、今なら、絶対にわかると思う。男性がつく嘘。今や、私も男性の嘘をある程度は見抜けるようになってきたと思うからね。そもそも、奥さんがいるのに、浮気をしている男性なんて、基本的には嘘つきばっかりなのよ。言ってみれば、全員が詐欺師みたいなもんだよね。ロマンス詐欺。
女性に、「好きだよ」とか「愛してる」と口先だけの言葉を巧みに使い、女性を惚れさせてタダでセックスしようとしている男性が、マッチングアプリには溢れるほどいる。
実際に、私の周りにも、そういう男性、たくさんいる。誠実な男性を装って、近づいてくる人もいれば、ホストのように自分に夢中にさせて貢がせる男性もいる。そういう意味では、山口さんのような詐欺師がいても、なんら不思議ではなかったが、当時の私は純粋が故、簡単に騙されてしまったようだった。
山口さんと仕事の話をするのは、基本的にはラブホテルだった。もちろん、やることはやる。ベッドの上やお風呂の中で裸で絡み合う。でも、一つだけ他の人と違ったのは、彼はただ、私を感じさせて、イカせるだけで、それ以上のことをしなかった。
どうも彼はEDらしく、セックスが出来ないみたい。それはそれで、私としては都合が良かったので、彼が満足するまで、私の身体を触らせてあげた。
触るだけ触って、私のことを感じさせるだけ、感じさせて、彼は満足していた。
私を触ったり、舐めたり、弄り倒しても、彼のモノは、全く機能しなかったため、パパ活相手としては、すごく楽なパパだと言える。だけど、決して上手な方ではないので、やっぱり、入れるだけ入れて、さっさと男性側にイってもらったほうが楽と言えるかもしれないなーなんて。笑
そして、お風呂に入りながら、仕事の話をする。彼の場合、その入浴タイムが異常に長かった。
2時間ぐらい入ってるの。その間、ずっとビジネスの話。いや、いいんだけどね。私も長風呂だし。構いませんけどね…。
この時の私に言いたい。「こんなの絶対におかしい！！」仕事の話をお風呂でするの！しかも、私の裸をいじり倒した後で。なんで気づかなかったのかなー。彼の話術に、どっぷりとハマっちゃったんだな。
詐欺師って、本当に怖いよね。いや、この人が詐欺師かどうかは逮捕されてるわけじゃないから、はっきりはしてないけど、総合的に考えたら、詐欺師だよね。笑
そして、この後、このビジネスの話が、より具体的に進み始めることになるのだが・・・