別れ際の素っ気なさ
駐車場に着くと、私の車に乗り込み、車を走らせる。
彼の指示する道は、さっき彼を乗せた、コンビニへ向かう道。
このまま、今日は解散なんだなーってわかって、ちょっと寂しい気持ち。
でも、モカちゃんいるし、亮真さんもあくびしてるし、今日はこのままバイバイでいいやって、本当に思ってたの。
犬の散歩に行ってるだけの旦那が、いつまで経っても帰ってこなかったら、奥さんだって心配しちゃうしね。
で、コンビニに着いたので、ここでお別れ。
お別れのキス……って…
あれ?亮真さん、モカちゃんを抱いて、さっさと降りちゃった…。
えーーーっ!お別れのキスもなし?
モカちゃんいるし、別にいいけどね…。
でも、ちょっと拗ね顔の私。
車を降りた亮真さん、さすがに私の拗ね顔に気付いたのか、グルっと運転席側に回り込み、窓を開けろとジェスチャー。
何をするのか分かったけど、意地でも開けるもんか…!って思いつつ、すんなり負けて、窓を開ける。
すると、眼鏡を外して、窓から顔を入れて、いつもの軽いキス。
「おやすみ♡」
まったくもう…。
どうせするなら、もっとちゃんとキスして欲しいのに。
女心、分かっているようで、分かってないんだよね、亮真さん。
もう、大人なんだから、そんな軽いキス、求めてないし。
なーんて、考えながら、自宅までのナビを入れる。
その間に亮真さんは車から離れ、モカちゃんと歩き出していた。
何かモヤモヤする気持ちを抱きながら、私も車を走らせる。
亮真さんの横を抜ける時、亮真さんは下を向いてて、私の車に気付かない。
通り過ぎる瞬間、顔を上げて、手を振ってくれた。
もうっ!!気づくのが遅いよっ!!
翌朝、昨日のディナーのお礼LINEをした。
――昨日のお散歩楽しかったです。モカちゃんも可愛かったし。癒されました。また会いたいなー。モカちゃんに。
すると、亮真さんから返信が。
――早く帰ったから怒ってるんやろ?
えーっ?私のちょっと拗ねた顔や、ムッとした顔に、気付いてたのかな…?
怒らせたと思ったのかな?
――べつに…
私も、あえて素っ気なく返す。
すると彼から真面目な返信が!
――あまり最初からスピードを上げない方が、長く付き合っていけると思う。
え?どうしたどうした?
そんなこと言うような人だっけ???
色々考えてたんだね、亮真さん。
私の事、怒らせたかなーとか?
いつもなら「着いたよ」とかLINE来るのに、来なかったから、心配したのかな…?
確かに、ムッとしてたし、軽くガッカリしてたから、いつも送る「家に着きましたLINE」を送らなかったんだよね。
一応、そう言うのも、気にしてくれていたのかと思うと、愛おしさが増しちゃう。
――大丈夫だよ。怒ってないし。
私が、そう送ると、安心したのか、笑顔で踊るスタンプが送られてきた。笑
不器用やなー笑
と言いつつ、完全に亮真さんにハマってる私。笑
私も、器用なようで、不器用だなー笑
この、器用なようで、不器用な私たちが、これから、どんな付き合いをしていくのか、すごく楽しみだけど…
実際には、数々の試練が待ち受けているのです…
そして、レイナは何度も何度も、この人に騙されることになります…
どうなる?!レイナ!!!